体の中の水銀



Q1: 体の中でメチル水銀濃度が最も高くなるのはどこですか?
A1: 毛髪に最も高濃度に蓄積します。

解説
毛髪や尿には体の中のメチル水銀の一部が出てきます。血液中のメチル水銀濃度に比べると、毛髪では200倍以上に濃縮され、尿では血液中の10分の1程度に薄まっています。つまり、毛髪には体内のメチル水銀が濃縮され、また取り扱いやすいので、メチル水銀摂取の指標として使われています。



Q2: 消化管(小腸)から吸収されやすいのはどのような水銀ですか?
A2: 自然界に存在する水銀のうち、メチル水銀が最もよく吸収されます。

解説
自然界に存在する水銀化合物のうち、メチル水銀のほとんどは消化管(小腸)から吸収されますが、無機水銀塩の場合、数パーセントしか吸収されません。また、金属水銀は消化管からはほとんど吸収されませんが、気化しやすく、その蒸気を吸いこむと肺から80%近くが吸収されるため、量によっては中毒をおこすこともあります。



Q3: 消化管(小腸)から吸収されたメチル水銀が最初に運ばれるのはどこですか?
A3: 消化管(小腸)から吸収されたメチル水銀は最初に肝臓に運ばれます。

解説
消化管(小腸)から吸収されたいろいろな栄養素は、門脈という血管を通って、まず肝臓に運ばれます。肝臓は体の流通センターのようなところで、ここから腎臓や脳など全身に栄養素を送り出します。メチル水銀は、栄養素(アミノ酸)とほぼ同じルートで、吸収後は一旦肝臓に運ばれ、そして全身に送られます。



Q4: 今日食べた魚に含まれていたメチル水銀は、1年後にはどれくらい体に残りますか?
A4: 1年後には、約3%が残っていることになります。

解説
体に取込まれたメチル水銀の半分が排泄されるのに必要な時間(生物学的半減期)は、ヒトの場合、約70日といわれています。つまり体内に残っているメチル水銀は、70日毎に半分になっていくわけですから、140日で25%、210日で12.5%…といった具合に、350日(約1年)後には3.125%、と計算できます。



Q5: 髪の毛に含まれるメチル水銀は普通の生活で少なくなることがありますか?
A5: パーマをかけることによって、その一部が取り除かれます。

解説
髪の毛のメチル水銀は安定していて、シャンプーで洗い流されることはありません。また、白髪染めやカラーリングなどの薬液でもほとんど変化しませんが、パーマに使う薬液には、メチル水銀を抜き取る作用のある成分(チオグリコール酸)が含まれており、1回のパーマで30〜50%がなくなります。



Q6: 大量のメチル水銀が体に入った場合、どのような治療法がありますか?
A6: 体内の水銀を排出させる治療が有効です。

解説
体内のメチル水銀を糞尿中に排出させる効果のある薬物がいくつか知られています。曝露に気付いたら、できるだけ早い時期にこのような薬物による治療を行うことが重要になります。それによって、メチル水銀による神経症状なども軽減することが期待できます。


 


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