認証標準物質
環境省国立水俣病総合研究センター(NIMD)では、ISO17025(JIS Q 0035)に適合する品質管理システムに基づき、毛髪とヒト尿の認証標準物質(certified reference material, CRM)を作製しました。
これらは、微量元素の定量分析において、分析方法若しくは分析装置の妥当性確認、又は分析の精度管理に用いることができます。製品はRMinfo(標準物質総合情報システム)やCOMAR認証標準物質データベースにも登録されており、検索・閲覧できます。
配布対象・配布条件
国公立の研究機関(独立行政法人を含む)、水銀に関する水俣条約の実施に関連した調査を行う研究調査機関、及び大学等の教育機関の研究室が配布対象です。
配布は無償としますが、今後の標準物質開発の参考とするため、お申し込み時に以下のアンケートへのご協力をお願いしております。
譲渡・売却は原則禁止とします。
配布のご案内
認証標準物質をご希望の方は、上記の配布対象・配布条件をご確認ください。 お申し込みをご希望の方は、下記の内容を明記の上、rminfo【♡】env.go.jp (【♡】を半角の@に変更してくだ
さい)までお送りください。 (担当 : 原口 浩一)
※下記詳細をコピーして本文に貼り付けてお送りください。
①担当者名(フルネーム):
②研究所名:
③部署名:
④ご住所(ビル名含む):〒
⑤電話番号(市外局番から):
⑥メールアドレス:
⑦使用目的
A: 分析法開発
B: 曝露調査
C: 代謝
D: 環境
E: その他( )
⑧どの化合物或いは元素の認証値(または参考値)が必要ですか?
A: MeHg
B: THg
C: Cu
D: Zn
E: As
F: Se
G:Cd
⑨濃度は使用目的に合っていますか?
A: 高い
B: 適切
C: 低い
D: どちらとも言えない(わからない)
⑩どのような水銀の標準物質を普段使用しますか(リクエストが他にありますか)?
A: 毛髪
B: 尿
C: 血液
D: 魚介類
E: 底質
F: 土壌
G: 水
H: 高濃度試料
I: その他 ( )
⑪CRMを選ぶにあたって重視する特性はどれですか?
A: 少量での均質性
B: 室温での安定性
C: 濃度
NIMD-01をお求めの方のみ⑫をご回答ください。
⑫最小使用量は使用目的に合っていますか?
A: 多い
B: 適量
C: 少ない
D: どちらとも言えない(わからない)
メールをいただいてから、一か月以内に発送いたします。
未回答がございます場合、発送できかねますことをご了承ください。
「NIMD-01 ヒト毛髪」
1. 認証値
本標準物質の認証値は以下のとおりであり、国際単位系(SI)にトレーサブルである。 認証値の拡張標準不確かさは、標準不確かさに包含係数 k=2を乗じたものである。
区分 |
元素 |
認証値質量分率
(mg/kg) |
拡張標準不確かさ質量分率
(mg/kg)
|
分析方法
(下記参照)
|
認証値 |
メチル水銀 (Me-Hg) |
0.634 |
0.071 |
1),2),3) |
総水銀 (THg) |
0.794 |
0.050 |
4),5),6) |
銅 (Cu) |
12.8 |
1.4 |
7) |
亜鉛 (Zn) |
234 |
29 |
7) |
セレン (Se) |
1.52 |
0.29 |
7) |
参考値 |
ヒ素 (As) |
0.17 |
0.03 |
‐ |
分析方法
1) GC-electron capture detector |
5) Cold vapor atomic absorption |
2) HPLC-chemiluminescence |
6) Cold vapor atomic fluorescence |
3) Ethylation-GC-cold vapor atomic fluorescence |
7) Inductively coupled plasma mass spectrometry |
4) Thermal decomposition atomic absorption |
|
2.最小使用量
均質性の観点から一回の分析に用いる試料量は20 mg以上を推奨する。
3.有効期限
本標準物質の有効期限は、未開封で下記の保存に関する注意事項を満たした場合、2023年09月30日とする。
ただし、有効期限はより長期の安定性の確認により延長される場合があり、その情報はこちらのWEBサイトに掲載される。
4.形状等
本標準物質は、灰色の粉体で約3 gずつガラス瓶に封入されている。
5.保存に関する注意事項
35 ℃以下の清浄な場所に遮光して保存すること(冷凍・冷蔵推奨)。
6.取扱い及び使用に関する注意事項
(1)本標準物質は、γ線照射により滅菌処理されているが、何らかの疾患の媒体となる可能性も考慮して取扱いには注意すること。
(2)本標準物質を使用する際は、容器の内容物を均質化するため十分に転倒混和した後に使用すること。
(3)分析用の試料を秤量する際には、少なくとも30分室温放置してから行うこと。
(4)本標準物質は約5 %の水分を含む。認証値はすべて乾燥質量あたりで示している。したがって成分測定時に試料の水分含量を 測定して分析値を補正すること。 試料(>100 mg)を85 ℃のオーブンで4時間加熱する。加熱後ただちに秤量瓶にふたをし、30分程度シリカゲルデシケーター 内で冷却する。放冷後、秤量して乾燥前後の重量減水分を水分含量として求める。加熱による試料中成分の蒸発、分解を避ける ため、成分分析用試料とは別に水分含量測定用試料を用いて測定すること。
7.協力機関
No. |
Laboratory |
Country |
1 |
Balai Besar Laboratorium Kesehatan (BBLK) |
Indonesia |
2 |
Dong-A University |
Korea |
3 |
IDEA Consultants, Inc. |
Japan |
4 |
Institut national de santé publique du Québec |
Canada |
5 |
International Mercury Lab. |
Japan |
6 |
Jožef Stefan Institute |
Slovenia |
7 |
Kagoshima University |
Japan |
8 |
Lumex Instruments |
Russia |
9 |
Milestone General.K.K |
Japan |
10 |
National Institute for Environmental Studies (NIES) |
Japan |
11 |
National Institute for Minamata Disease (NIMD) |
Japan |
12 |
Nippon Instruments Corporation (NIC) |
Japan |
13 |
Pusat Penelitian Dan Pegembangan Kualitas Dan Laboratorium Lingkungan (P3KLL) |
Indonesia |
14 |
SHIMADZU Techno-Research, Inc. |
Japan |
15 |
St. Petersburg University |
Russia |
16 |
Tshwane University of Technology |
South Africa |
17 |
University of Ottawa |
Canada |
18 |
University of Rochester School of Medicine and Dentistry |
US |
19 |
University of Southern Denmark |
Denmark |
Institutions are in alphabetical order
8.参考文献
Haraguchi K, Sakamoto M, Matsuyama A, Yamamoto M, Dang T H, Nagasaka H, Uchida K, Ito Y, Kodamatani H, Horvat M, Chan H M, Rand M, Cirtiu C M, Kim B G, Nielsen F, Yamakawa A, Mashyanov N, Panichev N, Panova E, Watanabe T, Kaneko N, Yoshinaga J, Herwati R F, Suoth A E, Akagi H: Development of human hair reference material supporting the biomonitoring of methylmercury. Anal. Sci. 2020 36, 561-567.
https://doi.org/10.2116/analsci.19SBP07
「NIMD-02 ヒト尿、NIMD-03 ヒト尿」
1. 認証値
本標準物質の認証値は以下のとおりであり、国際単位系(SI)にトレーサブルである。認証値の拡張標準不確かさは、標準不確かさに包含係数 k=2を乗じたものである。
NIMD-02 (低濃度)
元素 |
認証値質量分率
(µg/L)
|
拡張標準不確かさ質量分率
(µg/L)
|
分析方法
(下記参照)
|
総水銀 (THg) |
0.292 |
0.057 |
1),2),3),4) |
カドミウム(Cd) |
0.154 |
0.030 |
4) |
NIMD-03(高濃度)
元素 |
認証値質量分率
(µg/L)
|
拡張標準不確かさ質量分率
(µg/L)
|
分析方法
(下記参照)
|
総水銀 (THg) |
4.80 |
0.56 |
1),2),3),4) |
分析方法
1) Thermal decomposition atomic absorption |
2) Cold vapor atomic absorption |
3) Cold vapor atomic fluorescence |
4) Inductively coupled plasma mass spectrometry |
|
2.有効期限
本標準物質の有効期限は、未開封で下記の保存に関する注意事項を満たした場合、2024年7月31日とする。ただし、有効期限は、より長期の安定性の確認により延長される場合があり、その情報は生産者のwebサイトに掲載される (http://nimd.env.go.jp/)。
3.形状等
本標準物質は、約4 mLを封入したプラスチックチューブを4本1セットとして、真空包装されている。
4.保存に関する注意事項
本標準物質は、国外への輸送を考慮し、予め37 ℃、4週間の短期安定性試験を実施した上で、37 ℃の温度指示ラベルを添付して発送している。受領後は直ちに-20 ℃以下の清浄な場所に遮光して保存すること。
5.取扱い及び使用に関する注意事項
(1)本標準物質は、γ線照射により滅菌処理されているが、何らかの疾患の媒体となる可能性も考慮して取り扱いには注意 すること。
(2)本標準物質を使用する際は、容器内の内容物を均質化するため十分に転倒混和した後に使用すること。
(3)分析用の試料を採取する際は室温に戻してから行うこと。
6.協力機関
No. |
Institution |
Country |
1 |
Dong-A University |
Korea |
2 |
IDEA Consultants, Inc. |
Japan |
3 |
Institut national de santé publique du Québec |
Canada |
4 |
Jožef Stefan Institute |
Slovenija |
5 |
Kagoshima University |
Japan |
6 |
Lumex Instruments |
Russia |
7 |
Metropolitan Council Environmental Services |
US |
8 |
National Institute for Minamata Disease (NIMD) |
Japan |
9 |
Nippon Instruments Corporation (NIC) |
Japan |
10 |
SHIMADZU Techno-Research, Inc. |
Japan |
11 |
University of Ottawa |
Canada |
12 |
University of Rochester School of Medicine and Dentistry |
US |
13 |
Vietnam Academy of Science and Technology |
Vietnam |
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