水俣病の発生を契機に、水銀蓄積の評価や水銀曝露の健康影響の解明を目指した様々な研究や調査が世界中で進められてきました。その一環として世界中で多くの水銀分析法が開発され、様々な媒体(大気、水、土壌、生物)に含まれる水銀に関する知見が蓄積されてきました。水銀は環境中に広く存在しているため、各媒体に含まれる水銀の分析においては、対象試料に応じた前処理や分析法が必要であり、水銀の化学形態別の分析も求められます。
国内外において、的確なリスク評価のために、総水銀のみならずメチル水銀も、より高精度に分析できる技術が求められるようになってきています。「水銀分析マニュアル(通称 赤木法マニュアル)」は、これまで様々な場で示され、国際的にも高く評価されている赤木法が、さらに広く実用に供されるよう、「水銀分析マニュアル」策定会議(鈴木継美座長)によって取りまとめられ、環境省として発行したものです。