国立水俣病総合研究センター創立40周年記念事業 開催報告


 平成30年11月1日(木)10時より、国水研創立40周年の記念事業を、水俣病情報センターにて約130名の出席のもと開催いたしました。 開会挨拶で、国水研所長の重藤和弘より国水研の活動の紹介と、関係機関・団体等へこれまでのご協力に対する謝辞を述べ、来賓代表として髙岡利治水俣市長より、「国水研と水俣市が協力をし、共に水俣の未来を考え将来に向けた街づくりに取り組んで参りたい」と祝辞を賜りました。



○「国水研の歩み」紹介
 国水研設立に至る経緯とその後の取組みの概要を説明し、国水研の組織や実施する研究・事業に関する紹介ビデオを上映いたしました。

○水俣高校生による研究発表
 「水俣湾の現状~水俣湾を含む八代海域でのDINの季節的・地理的変動について」 国水研では、高校生の自主的な研究活動をサポートしてきましたが、今回その成果発表を行っていただきました。八代海での「漁獲量の減少」を栄養分であるDIN(溶存態無機窒素)に着目し、長期にわたる季節変動、潮流との関連を考察したもので、出席者からも非常に高いレベルの発表であったと評価をいただいています。
 午後から開催するNIMDフォーラムで発表する水銀に関する海外研究者2名からのコメントと質問に対し的確に回答がなされ、水俣市議会の福田斉議長からはその活動と成果に対する激励の講評をいただきました。


水俣高校の発表データ→minamata hightschool[PDF]

○健康講話「地域ぐるみで取組む認知症予防」
 国立長寿医療研究センター予防老年学研究部長の島田裕之先生による講話。認知症発症の現状から、その予防の実践によって進行が軽減もしくは改善されるというお話は非常に多くの方々の印象に止まったようです。たいへん勉強になった、と出席者の多くから声がありました。


 最後に、環境省環境保健部長の梅田珠実より、「国水研は引続き国際貢献、地域貢献の役割を果たしてまいります。関係の皆様のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げます。」と締めくくり、閉会となりました。



NIMDフォーラム2018 開催報告

 国水研創立40周年記念事業に引続き、平成30年11月1日午後から翌2日午前中にかけて、水銀に関する研究成果等を発表、共有するNIMDフォーラム2018が開催されました。今回のNIMDフォーラムはInternational mercury problems an NIMD contribution.(国際的な水銀問題とNIMDの国際貢献)というテーマで行われました。
 海外からの研究者5名(米国、ガーナ、ウルグアイ、ベトナム、ニカラグア)、国内(NIMD5名、新潟大学1名、環境省1名)7名の合計12名からの活発な発表がなされました。今回のNIMDフォーラムは上述のメインテーマからも、発表内容がたいへん幅広いことが特徴となっています。単なる研究成果の発表だけにとどまらず、昨年発効した「水銀に関する水俣条約」を念頭に、当センターで開発が進められている水銀簡易分析法や、国内外の水銀条約の実現に向けた取り組みの紹介の他、諸外国の水銀汚染の現状、化学形の異なる水銀による人体暴露が及ぼす健康影響等、たいへん多岐にわたる内容が発表されました。



 このフォーラムの実現によって研究者相互の知見の共有が図られ、一層のネットワークと共同研究体制が築かれました。すべての発表後に、米国から本フォーラムのために招聘したスティーブン・バロー氏より全体総括がなされ、フォーラムは終了しました。
 なお、次回のNIMDフォーラムは、来年の9月15日から19日に京都で開催される国際会議(The 18th International Conference of the Pacific Basin Consortium for Environment and Health)で開催する予定です。 メインテーマは以下を予定しています。  "Recent Progress in Toxicology and Environmental Health of Mercury" (水銀における毒性学と環境保健からみた最近の進捗)



Abstract




























































































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