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中村 篤(なかむら あつし)
胎児性・小児性水俣病患者さんへのリハビリテーションが主な業務です。慢性期の胎児性水俣病患者さんの足底痛や下肢の痙縮(筋緊張)の改善に家庭用ハンディマッサージャーを用いた振動刺激治療が有効であることがわかり実施しています(図1)。90Hz、15分間の足底振動刺激治療の後、促通反復療法(川平法)の訓練を行っていますが、訓練を継続することで足関節の背屈が改善し、移乗動作が安定してきました。現在、ロボットスーツHALを用いた平行棒内歩行訓練に取り組んでいますが(図2)、起立動作や平行棒内自由歩行の改善など、効果があるようです。振動刺激治療、促通反復療法(川平法)は、慢性期の神経疾患の痛みや痙縮、運動機能の改善を目的に、様々な患者さんでその効果をみています。その他、対象となる方のニーズに応じて革細工、スキルスクリーン、SAORI、きめこみアート等を用いた作業療法も実施しています。
今後、痛みや痙縮に有用であると分かった振動刺激治療の効果メカニズムを検討するための基礎研究を、当センター基礎研究部の研究者と共同で開始する予定です。

                    
今年の研究テーマ・担当業務
プロジェクト研究
  • メチル水銀中毒の予防および治療に関する基礎研究 (分担)
業務
  • 水俣病患者に対するリハビリテーションの提供と情報発信 (分担)
委員会
  • 広報誌作成委員会(委員長)
所属している研究グループ 
  • 病態メカニズムグループ
  • 臨床グループ
研究業績
  • Usuki F, Fujimura M, Nakamura A, Nakano J, Okita M, Higuchi I: Local vibration stimuli induce mechanical stress-induced factors and facilitate recovery from immobilization-induced oxidative myofiber atrophy in Rats. Frontiers in Physiology.10, (2019)

  • Fujimura M, Usuki F, Nakamura A : Fasudil, a ROCK inhibitor, recovers methylmercury induced a xonal degeneration by changing microglial phenotype in rats.degeneration by changing microglial phenotype in rats. Toxicol. Sci. 168, 126Toxicol. Sci. 168, 126--136 (2019).136 (2019).

  • 丸田道雄、田平隆行、牧迫飛雄馬、韓侊熙 、吉満孝二、 中村篤 、窪園拓郎、大石充:地域在住独 居高齢者における心の理論課題成績と社会参加との関連.老年精神医学雑誌, 2 177 184 2019

  • 中村篤 、臼杵扶佐子:胎児性水俣病患者に対するロボットスーツ HAL の導入効果.総合リハビ リテーション, 46 667 670 201 8
外部資金による研究
  • 平成 31-33 年度 科学研究費補助金・基盤研究 (C), 課題番号 19K07077 ( 分担 )
    [メチル水銀による神経 筋機能障害に対する神経軸索 筋線維再生治療の実験的研究]

主な履歴、学歴、学位、資格等
  • 作業療法士免許取得(2003.3)
    ⇒福岡県内、熊本県内の病院で勤務(2003.4~20015.10)

    ⇒国立水俣病総合研究センター作業療法士として配属(2015.11~)



  • 保健学修士(鹿児島大学大学院保健学研究科:2019.3)