第14回健康セミナー開催報告
と き 2008年7月19日
講 師 西田健朗先生(水俣市立総合医療センター糖尿病・内分泌センター長)
テーマ メタボリックシンドローム
7月19日土曜日、水俣病情報センターで第14回の健康セミナーを開催しました。猛暑のなか、84名の方にご来場いただきました。新たに市立総合医療センターに糖尿病・内分泌センター長として着任された西田健郎先生に、メタボリックシンドロームをテーマにご講演いただきました。最近話題のテーマに、皆さん熱心に耳を傾けていました。
話の一例をあげると、
①肥満は、リンゴ型(内臓脂肪型肥満)と洋なし型(皮下脂肪型肥満)に分けることができる。リンゴ型はいわば普通預金、すぐに出し入れができる。洋なし型はいわば定期預金、いざというときのために貯めていて、すぐに出すことができない。このうち、メタボリックシンドロームに関係するのは、リンゴ型肥満。運動すると、洋なし型よりもすぐに消費できるのでがんばろう。
②メタボリックシンドロームの解消には、運動も必要だが、運動だけでは難しく、食生活を含めた生活習慣の改善が必要。食事を減らすと行っても油脂をとりすぎないことがポイント。昭和20年代と現在を比べてみると、摂取しているカロリー量はほとんど変わらない。しかし、カロリー源は大きく異なり、かつてはご飯からのカロリーが中心だったが現在は脂質からのカロリーの割合がどんどん増している。いまや日本人の平均は米国人の平均よりも脂質をたくさん摂取しているのだ。気をつけよう、脂の摂り過ぎ、肉の食べ過ぎ。
③具体的なメニューで検証してみよう。摂っているようでも野菜は足りない、肉は多すぎ。
④いきなりではなく、少しずつ始めよう。おすすめは、1日散歩を20分以上、1食あたり60キロカロリー(唐揚げ1個に相当)を減らすこと
当日の講演資料はこちらをクリック[PDF]してください。
リンゴ型肥満
(内臓脂肪型肥満)
→こちらが要注意 |
洋なし型肥満
(皮下脂肪型肥満)
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それでは、当日の模様を写真で紹介しましょう。
皆様、身につまされる話に熱心に聴いていました。その中でも、先生の分かりやすく、楽しい話しぶりに笑いもおこり、楽しい講演となりました。
講演の他にも、毛髪水銀測定や、脈波速度(血管の硬さがわかる)測定、血圧や腹囲の測定など簡易なメタボ検診を行いました。みなさん、血管年齢や体脂肪率に一喜一憂。相談を担当した国水研ドクターの「心配いりませんよ」の声にほっとしつつ、「これを維持せんばあかんね」と決意を新たにされた模様です。
毎週木曜日に水俣病情報センターで健康相談室を開いています。
お気軽にご相談ください。
今回も、水俣市を中心に、周辺市町の方々も足を運んでくださいました。
年齢層は、60歳以上が7割弱でしたが、30歳代の方もみえていて、メタボリックシンドロームに対する若い方の関心度の高さもうかがえる結果となりました。
アンケートにご記入いただいたご意見をご紹介しましょう。
【今回の健康セミナーは】
- 先生の話し方が聞きやすく、良く理解できました。自分の体の検査をしてもらいましたが、案外な結果に安心しつつも、今後もこれを維持しないと、と考えさせられました。
- 4歳の孫も「メタボ」と言うように、最近話題になっていて、新聞等でもよく見かけますが、実際、専門の先生からの話をお聞きするのは、今回が初めてでした。今日のセミナーに出席できて良かったです。自分の体は自分で守るしかないですね。
- 「うまい!」と思えば、つい食べ過ぎる。余ったらつい、手を出してしまう。
【今後、取り上げてほしいテーマは】
- 日常生活において、自分達で実施できることについての話。
- 加齢にともない、注意すること。
- 腰、肩、筋肉の痛みに関するテーマ。
【国水研・情報センターの活動について】
- 市民の中にセンターの存在が位置づくよう、いろいろな催しや提言をお願いしたい。
- 今後も色々なセミナーに取り組んでいただきたい。
ご来場いただいたみなさま、どうもありがとうございました。
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