第17回健康セミナー開催報告
と き 2009年8月29日
講 師 てらさきクリニック院長 寺崎 博先生
テーマ 「おしっこの話~おしっこはもれませんか?~」
8月29日土曜日、水俣病情報センターで第17回健康セミナーを開催しました。
今回は「おしっこの話~おしっこはもれませんか?~」という切実なテーマを取り上げました。その結果猛暑にも関わらず133名の方にご来場いただきました。
寺崎先生の講義中、関心の高さから食い入るように講義を聞き、笑い声や驚きの声を発するお客様が目立ちました。また、セミナーにはお医者様の姿も目立ちました。
それではご講演の内容を一部ご紹介します。
まず、正常な排尿の仕組みについてのお話がありました。その仕組みのうち、どこかに不具合がおこることによって、頻尿などの症状が発生します。頻尿などの症状は命には直結しないので放置されがちです。一方で長時間のバス旅行を楽しめないなど、生活の質は下がってしまいます。
ただ、症状が発生しても泌尿器科で治療を行えば、ほとんど治るとのお話でした。また、診断方法も問診がほとんどで、患者さんに抵抗のあるような内診は、あまり行われないとのことでした。
心当たりのある方は、是非、診察を受けてみてください。
以下に、代表的な症状を紹介します。
① 過活動膀胱(活動しすぎる膀胱)
過活動膀胱とは最近できた病名で一般的には週に1回以上、急におしっこをしたくなり、我慢できない状態(尿意切迫感)になる症状や頻尿、尿もれの心当たりのある方がこの病気に該当する可能性があります。
過活動膀胱の推定患者数は810万人、40代以上の女性10人に1人で男性にも多く見られる症状です。
② 頻尿
頻尿とは成人の場合、日中8回、夜間1回以上おしっこされる方を指します。(良く飲み物を飲む方は例外)
「夜間おしっこに行かれる方は頻尿です。」とご発言された瞬間、驚きの声で沸きました。※夜間は抗利尿ホルモンが分泌され、夜間、トイレに行かなくてすむように尿の水分をできるだけ体に戻す仕組みになっています。
きちんと治療することで多くの場合改善が可能です。
③ 前立腺肥大症
前立腺肥大症とは前立腺が大きくなったり、前立腺の筋肉が過剰に収縮したりして、尿道が圧迫されるために排尿障害を起こす男性特有の病気です。55歳以上の男性の5人に1人の推定患者がいるとされています。
治療に関しては手術が効果的で、手術された患者さんに後悔された方はいないと力強く話されていました。
今回も、水俣市を中心に、周辺市町の方々も足を運んでくださいました。年齢層は、60歳以上の方がおよそ9割を占めていました。
セミナー終了後のアンケートにご記入いただいたご意見の一部をご紹介します。
【今回の健康セミナーは】
- 現在は、尿洩れ等の支障はありませんが、筋力訓練等取り入れ、予防に努めたいと思います。
- 高齢になると健康が一番気になります。その中で尿のトラブルは特に大きくこれからの暮らしの中でどう対処するかが参考になりました。
- 高齢者女性ですが、なぜ夜間頻尿があるのかと思っていましたが理解できました。積極的に運動して骨盤底筋力を高めるよう努力します。
【今後、取り上げてほしいテーマは】
- 精神病(統合失調症)について
- 心臓病について
- 目、耳の病気について
【国水研・情報センターの活動について】
- 無料バスの運行有難いです。
- 初めて毛髪水銀を調べて頂きました。毛髪水銀測定を水俣市民の男女40歳以上を対象に調査してほしいです。
ご来場いただいたみなさま、どうもありがとうございました。
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