トップ > 健康セミナー > 第22回健康セミナー

第22回健康セミナー報告

と き
講 師
テーマ
2011年3月26日
島村 佳子(熊本産業保健推進センター産業保健相談員)
「ストレスを知って生き方上手になろう」 ~心身共に健康に老いるために~
 
 3月26日(土)、水俣病情報センターで第22回健康セミナーを開催しました。
今回の講師は熊本産業保健推進センターの島村佳子先生をお招きし、これまでのアンケートで開催要望の多かった「メンタルヘルス」というテーマで講演していただきました。来場者数は70名と盛況でした。
 なお、今回の健康セミナーでは最初に、本年3月11日に発生した東日本大震災の犠牲者に黙とうを捧げました。
 島村先生は「ストレスを知って 生き方上手になろう!」、お客様が何度もうなずくようななお話をしていただきました。
 それでは講演の一部を簡単に紹介します。


メンタルヘルス、とりわけうつ病は自殺と密接な関係があります。
自殺が社会問題となっていることから政府全体で取り組みが行われています。
ストレスとは外界から受ける刺激(ストレッサー)と、それを受けて引き起こされる体の反応(ストレス反応)のことを言います。
ストレスにはよいストレスと悪いストレスがあり、よいストレスには目標、夢、スポーツ、良い人間関係などが、悪いストレスには、過労、悪い人間関係、不安、怒り、恐怖などがあります。また、ストレス反応は様々な病気の原因となります。
簡単な30項目の質問で自分のストレス度が分かるテストが行われました。
ストレスがたまりやすい性格のタイプがあります。あてはまる性格の方は気を付けてみてください。

男性は、以下のような性格の方はストレスがたまりやすいといわれています。 1.早口でしゃべる、2.歩くのも食べるのも早い、3.一度に2つのことをしようとする、4.何もしないでいると悪いような気がする、5.人がのろいのに腹がたつ、6.順番を待たされるといらだつ、7.攻撃的で敵意を持ちやすい

女性は、以下のような性格の方はストレスがたまりやすいといわれています。 人に任せるより自分でやるほうが良い、頼まれたら断れない、どんなに疲れていても人のために時間を割く、やりたいよりは、やらなければならないと思う、どんなにやっても満足した気がしない、あらゆることは完璧を目指す、一日中気が急ぎプレッシャーを感じる
よくいわれる「メンタルヘルス不調」とは、心の不健康を総称する言葉です。 「メンタルヘルス不調」には、以下の3種類があります。
○うつ病や統合失調症・双極性障害といった「精神障害」
○不安神経症・強迫神経症といった「神経症」
○胃・十二指腸潰瘍等といった体に症状がでる「心身症」
このうち、最近よく話題となるうつ病は、こころの風邪に例えられるように誰でもなる病気であり、命のエネルギーが欠乏した状態です。うつの治療は早期発見、早期治療が効果的です。また、再発しやすい病気ですが、予防ができるものでもあります。
最近ではうつ病も多様化しています。従来のように仕事熱心・配慮的で几帳面な方がなりやすい、メランコリー親和型の他に、逃避型抑うつ、ディスチミア親和型うつといった新しいタイプのうつ病も増えています。
メンタルヘルス不調が生じた方に、身体に現れるストレス反応で一番に多いのが睡眠障害です。最近よく眠れない、早く目が覚める、床離れが悪い等の症状がある方は注意が必要です。 また周囲の方が気付く症状としては①表情が暗く、元気がない、独り言をいう、②積極性や決断力の低下、③凡ミスや事故が多くなるがあります。こういった方に周囲が気づいた場合には、叱責したり無理に励ましたりせず、声掛けをしてまず話を聞くことが重要です。
ストレスがたまったな、少し疲れたなというときに自分を取り戻せる方法を用意しておくことが大切です。 たとえば、笑う(免疫力を高めます)、質のよい睡眠をとる、音楽を聴く、自律訓練法を行うなどです。
最後に質疑応答が行われ、皆様からの質問に答えて頂きました。


今回も、水俣市を中心に、周辺市町の方々も足を運んでくださいました。


セミナー終了後のアンケートにご記入いただいたご意見の一部をご紹介します。

【今回の健康セミナーは】
参考になった。今日の話を参考に今後の生活に生かして心の健康に役立てていきたい。
ストレスを感じているので参加しました。心の持ち方次第であることを学びました。
ストレスばかりたまりますが、これから少し頑張らない、無理しない、そのように心がけたいと思いました。

【今後、取り上げてほしいテーマ】
認知症について
グリーフケアや延命治療といったことについて
難聴について
自律神経失調からくる内科的な病気について
糖尿病の薬の飲み方について

【国水研・情報センターの活動について】
病院等に依頼して健康セミナーの案内を目につきやすい所に貼り付けて、もっと多くPRして出席者を多くして下さい。
国水研の中を見学する機会があればと思います。


当日ご来場いただいたみなさま、どうもありがとうございました。