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第23回健康セミナー報告

と     き
司     会
講     師
2011年6月25日(土)
下田 禎彦 (熊本県薬剤師会副会長)
吉富 博樹 (水俣芦北薬剤師会会長)
森 るり子 (国保水俣市立総合医療センター)
テーマ 「薬を正しく安全に」
 
  6月25日(土)、水俣病情報センターで第23回健康セミナーを開催しました。
 今回は水俣芦北薬剤師会の全面的な協力により、健康セミナーで始めて「薬」をテーマに開催し、来場者数は53名と、薬に関する関心の高さが窺えました。講演を終えて正しい薬の飲み方を理解することができました。また、講演後には質疑応答が行われ、日頃から気になっていた薬の飲み方、最近よく話題になっているジェネリック医薬品について、講師の先生方に答えていただけたと、大変好評でした。

 それでは講演の一部を簡単に紹介します。

薬の正しい使い方について(水俣芦北薬剤師会会長 吉富 博樹)






普段、学校薬剤師として「薬物乱用防止教室」の授業でお話ししている内容から、「くすりの正しい使い方」をお話しがありました。

○漢字の「薬」「医」「幸」といった漢字の語源を元に、薬とは何かについて説明。

○体に入った薬は胃で溶け、腸で吸収されたのち肝臓に運ばれ、血液とともに全身へ運ばれ効果を発揮します。

○使用説明書を読んで、要領・用法を守らないと薬の効果がでなかったり、効きすぎて危険だったりします。例えば…

・薬を飲む時間を守りましょう。
食前:食事の1時間~30分前
食後:食事の後30分くらいまで
食間:前の食事から2~3時間後
就寝前:寝る1時間~30分前
のことです。このほか必要に応じて飲む「とんぷく」という薬もあります。

・内服薬は多めの水で飲む習慣をつけておくことが重要です。

・薬を飲むと主作用(病気を治すための作用)の他に、それ以外の作用(副作用)が働くことがあります。
薬を飲んで副作用と思われる症状が出た場合には、直ちに服用をやめて医師・薬剤師の相談を受けてください。
また他の薬の成分や飲食物との相互作用により予期しない作用を引き起こすことがあります。

○かかりつけの薬剤師を持つと以下のようなメリットがあります。
・あなたの体質を知り、使う薬を決めてくれます
・薬の飲み合わせをチェックしてくれます。
・健康に関する相談に乗ってもらえます。

○クスリの反対語はリスクです。クスリは、リスク(副作用)があります。薬の使用に際してはお気軽に薬剤師まで御相談ください。

ジェネリック医薬品について(国保水俣市立総合医療センター薬局長)






○普段勤務されている病院薬剤師としての以下のような仕事について紹介がありました。

・医薬品の管理と供給
・調剤・製剤
・注射薬の調剤
・服薬説明(外来・入院)
・医薬品情報の管理
・医療チームカンファレンスへの参加
・入院時持参薬の確認
・体の中の薬の動きを監視し、処方を設計する


○また最近話題になっているジェネリック医薬品(後発医薬品)についても分かりやすく説明がありました。
・ジェネリック医薬品とは先発医薬品(新薬)の特許期間が切れて、同じ成分で、後から発売された医薬品
・新薬と同じ有効成分で効能・効果・用法・用量が同じ
・新薬に比べて安価(新薬の2~8割の価格)
・厚労省も医療費削減を目的として使用推進している
・添加物や製造方法が違っていたら薬の溶け方や効果の出方が違うこともある
・後発医薬品の会社は多数あり、同じ成分のものでもいろんな名前があり、注意が必要


・質疑応答
セミナーの最後には先生方に皆様からの質問に丁寧に答えて頂きました。


当日は、芦北水俣薬剤師会のご協力により、薬剤師による薬の相談も行われました。芦北水俣薬剤師会の皆様、ありがとうございました。


今回も水俣市を中心に周辺市町の方々も足を運んでくださいました。ご来場ありがとうございました。

セミナー終了後のアンケートにご記入頂いたご意見の一部をご紹介します
【今回の健康セミナーは?】
・薬の服用方法の正しい認識、教示ありがとうございました。
・ジェネリック薬剤の正しい知識ありがとうございました。
・ジェネリック医薬品について大体理解できました。ただ、いざジェネリック医薬品に替えるとなると不安があります(安全性について)。

【今後、取り上げてほしいテーマ】
・呼吸器科の話
・前立腺がんについて
・認知症について
・リュウマチについて
・もう一度、糖尿病について。前回のようにあまり多くの先生方だと各々の説明時間が短かく分かりにくいため、講師の先生を1~2人としてほしい。
・放射能と健康について
・聴力、補聴器、耳鳴りなどの耳に関することついて
・日常生活で気を付けたいアレルギーについて(ハウスダスト、ダニ、カビ、花粉等。)
・健康食品やビタミン剤等の使用方法について

【国水研・情報センターの活動について】
・国水研が何を活動しているのかよく判っていません。PR不足では。
・健康セミナーの開催についてもっと把握しやすい周知の方法をとっていただけるとよいのではと思います。
・水俣病の老齢年代での発症など正しい認識を教示下さい
・節電を訴えている中、講堂の冷房が効きすぎで寒かった。もう少し考えるべきではないか。


 ご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました。
 次回の健康セミナーは2011年10月に予定しています。日時等が決まり次第、国水研ホームページに掲載、新聞への折込チラシを入れますのでどうぞご来場ください。