片足立ちを実演される水田先生
当日行なわれた骨密度測定の様子。踵の骨の密度を計測しています。
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骨粗鬆症とは?
骨粗鬆症とは文字どおり骨がスカスカになって弱くなる病気です。高齢の女性に多く発生します。
これは、もともとの骨量が男性よりも女性が少ないこと、年齢を経ることに骨量が減少すること、閉経後に女性ホルモン(骨を作る細胞の活動を高める役割がある)が減ること等が原因として挙げられます。
骨粗鬆症になりやすい人としては先に挙げたとおり高齢の(閉経後の)女性、小柄な方、運動不足の方、乳製品を摂取しない方、お薬でステロイドを摂っている方、甲状腺の疾患や糖尿病の方、アルコールやたばこを多量に摂取される方等が挙げられます。
国内には1,000千万人の患者さんがいると推定されていますが、このうち治療を受けている方は200万人程度しかいません。
症状は?
骨格がもろく、弱くなります。症状が進むと骨折しやすくなります。
無症状で病気が進行し、骨折して初めて病気に気づくという点が問題の病気です。骨折しやすい箇所としては脊椎(背骨)、ももの付け根、手首があります。
高齢者の骨折は介助が必要となる原因となり、例えば大腿骨骨折では、骨折後50%の方が1年後には介助が必要な状態になるともいわれています。
予防法
骨を強くする3原則は「毎日の運動」、「栄養バランスの取れた食生活」、「ビタミンDを体内で作るための日光浴」です。
- 運動をしましょう。例えば外でウォーキング(1日30~40分を目標)をすると日光浴と同時に運動もできてよいです。
- カルシウムを取りましょう(1日800mgを目標に)。小魚等にも多く含まれますが乳製品が一番吸収がよいです。できればビタミンD(鮭、ヒラメ、ウナギなどに多い)、ビタミンK(納豆、ホウレンソウなどに多い)も取るようにします。
- 日光浴をしましょう。ビタミンDは骨を生成するのに重要な役割を果たしますが、日光を浴びることで体内で生成することができます。窓際でもよいですので日光浴をしましょう。
もし骨粗鬆症として診断されてしまったら?
先に挙げた骨を強くする3原則に加えて、現在では治療のための良い薬が出ていますので医師に相談してください。但し、即効性があるわけではないので担当のお医者さんの指示に従って長期間適切に服用することが大切です。
転ばないために
骨粗鬆症になるとちょっとした転倒でも骨折しやすくなります。このため転倒しないことが大切です。
室内では段差を極力少なくする、手すりを付ける、整理整頓、外出時は歩きやすい履物、動きやすい服装、両手に荷物を持たないことを心がけましょう。
また、バランス能力を高めるために片足立ちがどれだけできるか試してみましょう。自力で片足立ちできるのが15秒未満の場合、転倒する可能性が大きいです。15秒間片足立ちできる方もできない方もバランス能力を高めるために片足立ちの訓練をしましょう。支えが必要な方は転倒しないように机を体の前において手で支え、片足で立つ練習だけでもよいのでやってみましょう。
最後に先生からは骨粗鬆症は生活習慣病です。日頃から体の変化に注意をし、何かあればお医者さんに相談をしましょう。とのご助言をいただきました。
当日はアステラス製薬株式会社様の協力により、骨密度の測定も行われました。
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