自然界に存在する水銀のうち、メチル水銀が最もよく吸収されます。
自然界に存在する水銀化合物のうち、メチル水銀のほとんどは消化管(小腸)から吸収されますが、無機水銀塩の場合、数パーセントしか吸収されません。
メチル水銀はアミノ酸のひとつであるシステインと結びついて消化管から簡単に吸収され、身体の中でいろいろなところに入り込む性質を持っています。このため、脳の中に入りこんで神経細胞に傷害を与えたり、お母さんと胎児をつなぐ胎盤の関門を通り抜けて、胎児の身体にも入ったりします。
また、金属水銀は消化管からはほとんど吸収されませんが、気化しやすく、その蒸気を吸いこむと肺から80%近くが吸収されるため、量によっては中毒を起こすこともあります。海外の例では、金採掘の際に使用する気化した水銀の曝露などがあります。