NIMDフォーラム2021 開催報告令和3年11月6日(土)9時より、NIMDフォーラム2021を水俣病情報センター講堂にて、約100名(YouTubeライブ配信では約50名)の出席のもと開催いたしました。開会挨拶では、国水研所長の森光敬子より、国水研の活動の紹介と、水銀や水俣病に関する諸問題の一層の解決につながることへの期待を述べました。① https://www.youtube.com/watch?v=5RtxQszgigc ② https://www.youtube.com/watch?v=fUmnSYHVBjQ&t=7306s ③ https://www.youtube.com/watch?v=UJlvEhXrt-Q&t=7141s ○基調講演 「MINAMATA―Pollution and the Struggle for Democracy In Postwar Japan」の大著を2001年に出版され、その日本語版が近々出版されるティモシー S.ジョージロードアイランド大学歴史学部名誉教授より、水俣病の歴史について、歴史学、政治学、社会学などの社会科学的視点から論じていただきました。(アメリカからのオンライン中継)。 ■ティモシー S.ジョージ氏発表資料 ○NIMDからの報告 国水研の研究者及び熊本県立水俣高等学校の生徒3名より、「水俣病患者の生活環境及び水俣湾の現場について」報告しました。国水研では、水俣高校生の自主的な研究活動をサポートしてきましたが、今回その成果として「水俣湾における漁業の再生の課題」について発表いただき、出席者からも活発な質問が出るなど、レベルの高い発表であったと評価を頂きました。 水俣環境アカデミアの古賀実所長からは、地域の高齢化と共に身体機能低下は大きな課題のためよりリハビリ等の活動を広げてほしい、胎児性水俣病患者の生活史が紐解かれたが個々の患者に寄り添っていくことは容易ではなく地域との関係性も考察する必要もある、カキの研究でのクロロフィルaの研究は大変だったと思うが研究機関等と連携しさらなる挑戦をしてほしいとの講評を頂きました。 ■中村政明臨床部長発表資料 ■原田利恵研究員発表資料 ■松山国際・総合研究部長、水俣高校生発表資料 ○テーマ講演及び対談 まず熊本県環境センターの篠原亮太館長から、北九州市役所勤務のご経験をもとに、「公害都市の再生―北九州市における企業との交渉の経験から―」として、当時の激化した北九州市域の海や大気の環境状況を紹介するとともに、いかにして公害が克服されていったか、その要因は何であったのかなどを解説いただきました。 続いて、一般財団法人神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会の髙木薫寛代表理事と元神岡鉱業代表取締役の渋江隆雄氏をお招きし、「イタイイタイ病における被害者と企業の“緊張感ある信頼関係”」について対談いただきました。 ■篠原良太氏発表資料 ■髙木薫寛氏発表資料 ■髙木薫寛氏追加資料 ■渋江隆雄氏発表資料 ○パネルディスカッション 水俣市立水俣病資料館語り部の川本愛一郎氏、認定NPO法人水俣フォーラムの郡山リエ理事、水俣市立水俣病資料館の上田敬祐館長、そして引き続き髙木氏、渋江氏に参加いただき「水俣市の地域再生へ向けて」ディスカッションしました。 ■川本愛一郎紙発表資料 ■郡山リエ氏発表資料 ■上田敬祐氏発表資料 最後に閉会挨拶では、国水研次長の東條純士より、本日のフォーラムでのご意見を今後の水俣病発生地域への貢献に関する研究や事業に生かしていきたいと延べ、フォーラムを締めくくりました。 国水研は水銀に特化した世界で唯一の研究機関として、今回のNIMDフォーラムで得られた示唆を参考に、今後の水俣病や水銀に関連する政策対応研究を発展させるとともに、今後もNIMDフォーラムを通じて研究の報告、意見交換、水銀を取り巻く世界的な流れ等を国内外に発信していきたいと考えています。 ※当日、YouTubeライブ配信にアクセスできない事象が発生したことをお詫び申し上げます。11月中旬を目途に、環境省YouTubeチャンネルに動画をアップロードして本ページに掲載することをお知らせいたします。
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○過去のNIMDフォーラム
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